後遺障害逸失利益の労働能力喪失期間

交通事故による逸失利益の期間

交通事故における後遺障害逸失利益の計算では、症状固定後の将来にわたって得られなくなる利益(得べかりし利益)を算出します。

そこで、交通事故の後遺障害によって労働への支障がどの時点まで続き、それにより逸失利益がどの時点まで生じるのか、という点で期間が計算要素となります。

その逸失利益が生じる期間が労働能力喪失期間です。


逸失利益の期間の始期

逸失利益が生じる労働能力喪失期間の始期は症状固定日です。
未就労者の就労の始期については、原則18歳とされますが、大学卒業を前提とする場合は大学卒業時となります。

逸失利益の期間の終期

逸失利益が生じる労働能力喪失期間について、日弁連交通事故相談センター東京支部は、以下のとおり示しています。

  • 原則は67歳まで。
  • 症状固定時の年齢が67歳を超える場合、原則として統計による平均余命の2分の1。
  • 症状固定時から67歳までの年数が平均余命の2分の1より短くなる場合、原則として平均余命の2分の1。 

個別具体的な判断も

逸失利益が生じる期間について、上記は原則論ですが、職種、地位、健康状態、能力等により上記原則と異なった判断がされる場合があります。
また、事案によっては期間に応じた喪失率の逓減を認めることもあります。
これらについては、一律の基準があるわけではなく、個別具体的な判断になります。

むち打ちの場合の逸失利益

交通事故によるむち打ち症の場合は、12級で10年程度、14級で5年程度に制限する例が多くみられます。
このため、交通事故の逸失利益の計算では、むち打ち症にとどまらず、他覚症状のある外傷があるのかどうかが重要になってきます。


中間利息控除が必要

労働能力喪失期間については以上のとおりですが、その年数は、そのまま逸失利益の計算で使われるわけではありません。

交通事故の後遺障害逸失利益は、「基礎収入」「労働能力喪失率」「労働能力喪失期間の中間利息控除係数」を掛け合わせて計算されます。
中間利息控除の作業が必要であり、そのご説明ページへは、以下をクリックすると移動できます。


後遺障害逸失利益の冒頭ページや、基礎収入・労働能力喪失率・中間利息控除の各ページへ、以下それぞれクリックして移動できます。 

交通事故の示談について、さらに具体的には横浜都筑法律事務所の弁護士にご相談ください。